この記事は前回に引き続き、俗にハードミックスボイス、地声寄りのミックスボイス、ベルティングボイスなどと呼ばれる、中〜高音域の発声について著すものである。
前回↓
ミックスボイスの迷宮
声の出し方というのは、極めて感覚的なことである。ならばとことんまで感覚的な説明を、ただひたすらに並べていこう、というのが今回の内容。この発声の理論的で合理的な説明は、ちゃんとしたプロの先生方の記事を参照していただきたい。
- 声帯で大きな声を出すのではなく、声帯で出した小さな音を鼻腔共鳴で大きくする。
- 鼻の奥に声を通す感覚。鼻の奥に空気の塊があるような感覚で、そこに向けて声を出す。
- ただし基本、鼻から息は漏らさない。
- なんなら、声を飲み込むぐらいの気持ちで。
- 裏声を意識しすぎない。
- 練習で、ブレイク(裏返り)を恐れない。何故、どうしたら裏返ってしまうかを研究すべし。
- コツを掴むまでは音域の高すぎる曲は避ける。超高音域の発声は、また別の技術も必要。
- 裏声への切り替えを意識し始めるのは、超高音域に差し掛かる辺り。
- どの母音のときでも、喉の奥は常に「え」の形を意識する。これが一番大事かも。
- 舌の根元を前に出して、舌自体を下に押し付ける(ダジャレではない)。
- 喉の奥の方で母音を作り、できる限り口先の方で子音を作る。やや舌足らずな感じになる。
- 広角を上げる。口の中の空間が横に広がる。
- 要するに、喉の奥やら口の中の空間を目一杯拡げて、舌は息の通り道を邪魔しないように使って、鼻の奥で歌えばいい。
テキトー極まりない説明ではあるが、理詰めで考えるよりも存外こちらのほうがわかりやすかったりするものだ。ある程度基本ができてきている方なら、ともすればこの中のどれかにピンとくるものがあるかもしれない。健闘を祈る。
最早、未熟な私自身のための覚え書きと成り果てたこの記事であるが、それだけに身近で現実的な内容になっていると思う。道半ば、迷える同志たちに活用していただきたい。
R3.8.27改訂