歌の練習方法_ミックスボイスなど

ポップス・ロック・カラオケなどの歌に関して言えば、それは”練習”というよりもむしろ”研究”と呼んだほうが正しいように思う。大事なのは、筋力そのものよりも、口や喉の筋肉をどのように使い、息をどのように制御するかを知り、あるいは気づき、それを再現することである。

短距離走で例えるならば、ただ闇雲に走りまくるよりも、正しいフォームを覚えて身体に染付かせること。走ることにより筋力は付くかもしれないが、滅茶苦茶な走り方ではスピードも持久力も出るはずがない。

そのフォームが曖昧なままで歌っていると、どこの筋肉に力を入れれば良いかが分からないため、ブレイク(裏返り)を恐れたおっかなびっくりな歌い方になってしまう。自信の無さが歌に出てしまうのだ。これでは当然上手くは聴こえないし、自分でも歌っていて気持ち良くない。

ではどうすればいいか。

そう、”研究”だ。
喉の力を入れる場所、その強度、呼気の出し方、口の開け方、子音の出し方から表情まで、様々なパターンを試してみること。これに尽きる。ネットで勉強した方法などはとりあえず心の隅に押し退けておいて、先入観を捨て自分自身で試行錯誤することが何よりも大事なことであると、私はそう思う。これは経験則だ。

例えば、よく耳にするミックスボイスの情報として、最初のうちは喉を傷めないように裏声からのアプローチを練習するのが良い、というのがある。数々のブログや動画、果ては知り合いのボーカリストにまで散々進められた方法であるが、私にとってはこの情報こそが何よりの障害であり、私を数年間悩ませ苦しめる呪いとなったのだ。喉を痛める覚悟をしてでも、地声からのアプローチを試してみるべきであったと、未だに後悔すらある。

それに今だからこそ言えることだが、素人が一日に数時間程度、多少無理して歌ったところで、喉というのはそうそう壊れるものではないのだろう。これもまた経験則で、私は普段から一人カラオケによくいくのだが、長いときで6〜7時間ほど歌い続け、締めには決まってマキシマムザホルモンやリンキン・パークのデスボイス曲を入れる。当然ながらその日は、声枯れと多少の喉の痛みが出るわけだが、それも二日後には概ね回復してしまうのである。まさに人体の神秘だ。

まあ私も今後どうなるかは分からないし、個人差もあるはずなので、自己責任にて、と申し上げておく。

何度でも言おう。

自分自身で試行錯誤することだ。「間違っているかも」と思うことでも、やってみれば何かしら得られるものがあるかもしれない。ネットの情報にばかり目を取られないように。

いや、この記事もネットの情報ではあるのだが…

爬虫類、虫たちのハンドリングについて

ハンドリングとは、小動物などを手に載せて楽しむことだ。失敗すると噛み付かれたり逃げられてしまったりすることもあるので、慣れないうちは尻込みしてしまうことだろう。ハンドリングするにあたって、コツというか意識したいことがいくつかある。今回はそれをダラダラと綴っていこうと思う。

まず第一に、基本的にハンドリングとは”手で捕まえる”ことではなく、”手に掴まらせる”ことである、と考えよう。カブトムシを例に出すと、角を持って持ち上げることが前者であり、手や腕に這わせたり登らせるのが後者、つまりはハンドリングである。あくまでも生き物が自然な状態、読んで字のごとく地に足付いた状態であることが大事だ。

個人的に一番難しいと感じるのは、最初に生体を手に乗せるまでの過程である。乗せてしまいさえすれば、後は割と何とかなるものである。

中型のトカゲなど、ある程度ガッシリした生き物の場合は、直接掴み上げるのが手っ取り早い。なるべく背中には触れないように、腹側からすくい上げるようにする。というのも、野生下における彼らの天敵である猛禽や肉食獣を連想させるからだそうで、大体の小動物は背中に触れると警戒するからだ。

昆虫などの小さな生き物の場合。彼らの少し前に手を置いて、もう片方の手で後ろからつついたり押したりして追いやる。直接触れられた後ろの手の方に彼らの意識が向くので、前の手に意外とすんなり乗ってきてくれる。前の手を置くときに、噛みつかれたりしないように注意。少しだけ距離をおいて、警戒されないようにそっと置くこと。タランチュラなどの毒虫の場合、追いやる方の手はピンセットなどを使うと安心だ。

すぐに逃げるヘビなどは、尻尾を掴んで持ち上げて、手繰り寄せるという方法もある。手繰るときも、主にヘビの腹側に手を伝わせて、上半身(?)の辺りを、広げた指に絡ませる。

そうして手に乗せた後だが、イメージとしては、自分の手や腕が、生き物たちから見て地面あるいは樹木の枝葉であるように振舞うこと。これはハンドリングをする上で、生き物たちに噛まれたり刺されたりしない為のコツでもある。彼らの目の前に手を出さず、また彼らの視界で指などの関節はなるべく動かさず、あなたが”動物である”と悟られないように、徹底して足場になりきるのだ。

注意したいのは、爬虫類などの変温動物にとって、人の体温は少々熱すぎるということ。特にカエルなどの両生類は、体表が粘膜であるという体の構造上、直接の接触には殊更弱い筈である。ハンドリングの時間は数分程度に抑えるか、彼らが人の肌に直接触れないように工夫をしたい。薄手の手袋などを装備すれば、いくらかは違うかもしれない。彼らの肌触りを感じられなくなるのが、非常に残念ではあるが…。
もっとも、熱帯の強烈な日差しの中で日光浴しているような類のトカゲなどは、この限りではないとは思うが。

最後に。聞き飽きた言葉だろうが、諦めが肝心である。
どれだけ頑張っても、馴れない個体は馴れないし、そもそもハンドリング向きでない生き物というのもいるのだ。そこで無理をしてしまうと、飼育者の怪我のもとにもなるし、なにより生体を傷つけたり、逃げられてしまう危険もある。取り返しのつかないことになる前に、触れ合うことに見切りをつけることも重要である。
しかし逆に、ハンドリング向きな生き物というのも、今日日少なくはない。爬虫類、両生類、節足動物などの小動物は、そもそも触れ合うべきではないという意見もあるが、フトアゴヒゲトカゲやレオパードゲッコーなど人の手で養殖されて久しいCB個体は、驚くほどに人馴れしているものだ。触られても慌てもせず、どころか手の上で寝始めるようなこともザラにある。彼らさえ気にしていない様子なら、必要以上に慎重になることもないだろう、と私は思うのだ。

CB化の進んだ爬虫類は、もはや品種改良された犬猫と大差ない程の『ペット』だ。

フトアゴベビー。

ウバタマムシ。