ミックスボイスを出せるようになってからの話

いわゆるミックスボイスが出せるようになったからといって、そこで終わりではない。むしろ、そこからが始まりと言ってもいい。

大事なのは、安定感である。同じ曲、同じセットリストのはずなのに、日によって喉が持たないこともあると思う。多くの場合、それはミックスボイスの感覚を完全にものにできていないからだ、と思う。勿論、喉の調子が原因であることもあるだろうが、よほどカラオケなどで叫びまくった直後か、あるいは寝起きでもない限り、直接の原因にはならないものだと思う。少なくとも私はそうだ。

他の楽器と違い、自分の喉は目で見えない。そのため、良い声の出し方を思い出そうにも、どうしても感覚的なものになってしまう。厄介なのは、半端に感覚を掴んでしまうと、多少力ずくでも何となく高音が出せてしまうことだ。余計な所に力を入れていると、一聴うまく歌えているようでも、すぐに声帯が疲れて裏返ってしまう。そんなことが何度もあった。

そうならないために大事なことは、上手く歌えているときの感覚を、できる限り具体的に分かりやすく言語化することだ。

カラオケなり車の中でしょっちゅう歌っていると、やけに調子のいいときがある。そのまま何時間でも歌い続けていられるような気分になる。そういうときの喉の使い方、息の出し方、力の入れ具合、あるいは誰々のモノマネをする感じで等々、なるべく詳細に言葉にして覚えておく。手帳やスマホのメモに書いておいてもいい。

その言葉を意識することで、感覚だけに頼りきることなく、絶好調の状態を再現できるはずだ。

因みに、私なりに言語化した備忘録がこちらの記事↓

たった一度でも、自分の理想の歌い方ができたことがあるなら、後はそれを再現し続けることが一番の課題である。

答えはもう、自分の中にあるのだ。