蛇は可愛い

閲覧注意、などと書きたくはないのだ、本当は。こんなにも愛らしく美しい生物が、どうしてそこらのグロ画像なんかと同じ扱いなのか、遺憾の意を表する。

人々がヘビを嫌う理由は、おおよそいくつかのパターンに分けられる、と私は分析する。一番多いのが、未知のものを怖がる恐怖心からくるものだろう。幽霊や宇宙人なんかが恐ろしいのと同じ理由である。何を考えているのか、どんな挙動をするのか、分からないというのは、それだけで恐怖足り得る。

田舎のほうの農家の方ならともかく、人工建造物の立ち並ぶ街中の人々にとって、ヘビは身近な存在とは言い難い。我々のようにはっきりとした目や口を持ちながら、手も足もなくヒョロリと長いその姿は、異形そのものだ。知らない人が恐怖するのも頷ける。

二つ目の理由は、先入観によるものだ。皆様はヘビと聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか?毒がある、噛み付く、巻き付く、嫉妬深い、いい方と言えば白蛇は縁起が良いだとか、そんなところだろうか。

日本において、そのヘビのイメージを決定づけているのは、マムシおよびハブの存在が大きいと思う。人知れずひっそりと生きている無害なヘビたちと比べて、注意喚起の看板やテレビ番組などで目につく機会があまりにも多いのだ。その結果、ヘビとは毒を持ち危険なものであると、刷り込まれてしまっているのである。

実際のところ、本土で言えば、生息しているヘビは全7種、うち毒ヘビはマムシとヤマカガシの2種のみ。しかもヤマカガシに至っては、その攻撃性の低さ故にごく最近まで無毒だとされていた程の無害っぷりである。風評被害もいいところだ。もちろん、一般的に出回っているペットスネークはそのほとんどが無毒、一部の種類のみが極めて弱い毒を持つ程度だ。

3つ目の理由としては、俗に言う「生理的にムリ」というやつだ。これはもう仕方がない。誰にでも嫌いなものはあるものだ。

しかし、よく分からないからだとか、悪いイメージを信じ込んで拒絶してしまうのは、あまりにもったいないことだと思う。まずは先入観を抜きにして、彼らを見つめてみてほしい。きっとその魅力に気づいていただけることだろう。

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